2022年度日本助産師会主催の不妊症・不育症ピアサポーター養成研修を受講しました。
私は不妊治療経験者です。
不妊治療中の私は、夫以外の誰かに話を聞いてもらいたかったという思いがありました。
不妊症・不育症ピアサポーター研修
研修はオンデマンドで受講しました。
不妊治療の最新情報、不妊症について、男性不妊症について(男性のメンタル面についても)不育症について、国の政策方針、里親・養子縁組制度、心理・社会問題と、支援者ができる事、ピアサポーターの役割、求められる事など多角的な立場から不妊症・不育症について、またそのサポートについて学ぶことが出来ました。
支援の実際では流産、死産、新生児死のグリーフケアとピアサポートの紹介がありました。
そして、実践としzoomでランダムに選ばれたグループでライブ配信による研修が行われました。
ZOOMでの研修はどんな感じなんだろうと緊張しましたが、分かりやすい内容で緊張感がほぐれました
受講の経緯
一度でも宿った命を失う事の喪失感は言葉では表せないくらい辛いものです。
私は子宮外妊娠の術後は毎日どうしたらいいのか分からずひたすら自分の心の声を聞いて嫌な事はシャットアウトし、受け入れられる事だけしていました。
外に出ると赤ちゃんや妊婦さんばかりに目がいき外出が辛い時期もありました。
更年期を過ぎたであろう女性までも妊婦さんに見えてくるのです。
誰かに話を聞いてほしい、でもこれ以上傷つくのは嫌だと思っていました。
でも誰に話せばいいのか分かりませんでした。
うっかり友人に話したところで、その友人がもし妊娠していたら?
不妊治療中でも、もし先に妊娠したら?と考えれば考えるほど誰にも話せなくなるのです。
鍼灸師さんの傾聴
そんな時に時間をとって優しく話を聞いて下さった方がいました。
それが男性の鍼灸師さんとそこで働く女性のスタッフさんでした。
東小金井にある蓬莱堂はカウンセリングを大切にしているところで治療を始める前にお話しする機会を作ってくださいました。
初めて訪ねた時にこれまでの不妊治療の経緯を話しました。
その頃の私は子宮外妊娠と流産の後でした。
話をしていくうちに抑えていた感情が溢れ出し何度も何度も涙を拭って話を聞いていただきました。
心無い言葉を言われ傷ついた事やどう整理していったらいいか分からない心の内を初対面のお二人に全て話しました。
時間にすると30分〜1時間くらいは話していた様に思います。
お二人は優しく頷き傾聴して下さいました。
全ての気持ちを吐き出した後は心が軽く清々しいとさえ思える気持ちになっていました。
人に話を聞いてもらうだけでこんなにも心が楽になるんだと思える体験でした。
また辛い経験の中で少し嬉しかった事があります。
それは子宮外妊娠の手術直後のこと。
看護師さんが摘出された胎芽でさえ赤ちゃんとして認識してくれた事です。
亡くなっていた命が摘出、掻爬された後に全てが無かったことにされていなかったと。
近隣市町村の取り組みと課題
ピアサポーター講座を受け、傾聴について学び、誰かの役に立つことができたならと思います。
しかし助産師でも鍼灸師でもない一般人がどう動いていったらいいのか分からないもどかしさがあります。
東京都の取り組み
東京都妊活課のホームページでは不妊・不育経験のある女性カウンセラーが相談に応じる不妊・不育ホットラインという電話相談があります。
武蔵野市の取り組み
お隣の武蔵野市は武蔵野市が健康課の「健康なんでも相談」で保健師等専門職の方がお話を聞いてくれるそうです。
三鷹市の取り組み
三鷹市は市民対象に不妊症・不育症ピアサポーターである助産師さんと面談ができる場があります。
精神面、金銭面、そして年齢により治療を続けるか否か一緒に考えてもらえる事は一般的な不妊治療のクリニックでは難しい事の様に思います。
相談できる場があることが救いになったりもします。
小金井市でも不妊症・不育症の方に寄り添う取り組みが出来るよう動いていきたいと思っています。
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